flag 創業50周年記念特別企画
ヨルダン・トレイル・トレッキングと
最高峰ウンム・アッダーミ登頂

2019.11.19

 創業50周年記念特別企画として、10月22日から10日間の日程で、全長600kmのヨルダン・トレイルハイライトを歩き、世界遺産ペトラ遺跡や死海を訪ね、最高峰ウンム・アッダーミに登頂するという壮大な山旅のツアーリーダーとして同行いたしました。


 ヨルダンは人口約1,000万人、国土面積は日本の1/4程度です。イラクやパレスチナ、シリアなどの国々と国境を接するため、遠く離れた国に暮らす私たち日本人はどうしても「アラブ=危険」というイメージが付きまとってしまいがちですが、ヨルダンは治安が安定しています。子供たちが外を走り回り、親日家も多く、「こんにちは!ありがとう!」と簡単な日本語が飛び交う歓迎を受けました。
 ヨルダン・トレイルは2015年にヨルダン政府の国家プロジェクトとして完成し、現在、世界中のトレッカーにより注目を浴びています。昨年、弊社社長の芹澤がヨルダンを視察し、満を持しての企画実施となり、その1本目のツアーです。今回のメンバーは13名、皆さん世界中の各国最高峰に登頂経験のある方々でヨルダン訪問をとても楽しみにしていました。首都アンマン到着時の最初の印象は「すごい都会ですね!」と、想像していたアラブの世界とは違っていたようです。


写真1_アンマン城址にて

アンマン城址にて


 翌日からヨルダン・トレイルのトレッキングが始まりました。一面茶色の世界が広がり、日本にはないその光景に気分も高揚し、楽しいトレッキングとなりました。


写真2_ヨルダントレイルのダナ地区にて

ヨルダントレイルのダナ地区にて


 この日のロッジは世界のエコロッジBEST50に選出されたフェイナン・ロッジです。ヨルダンの自然景観に合った外観で、付近で暮らす地元民によって営業され、彼ら収入の糧にもなっています。このロッジには電気はなく、灯りはキャンドルのみです。夜には静寂な雰囲気に包まれます。私たちも含め宿泊者はその意図を汲み1泊を過ごします。その体験は今まで経験したことのないような貴重なものとなりました。


写真3_フェイナン・エコロッジ

フェイナン・エコロッジ


 翌日は地元ベドウィンによるメイクアップ体験です。自らのアラビックな化粧に女性陣は大興奮でした。
 トレッキング2〜3日目はいよいよペトラ遺跡へのアプローチです。ヨルダン・トレイルを歩き、エドディル修道院が現れると歓喜の声が上がりました。そのままペトラ遺跡を見学し、翌日はフブサ山へ。この岩山は岩壁上部からエル・ハズネを見下ろすことができる絶景スポットです。柵などは何もないため、ひやひやしながらの写真撮影となりました。


写真4_ホブサ山からエル・ハズネを見下ろす

ホブサ山からエル・ハズネを見下ろす


 ツアー後半はワディ・ラムへ。ここは「アラビアのロレンスの舞台」にもなったところで、砂漠の中に大きな岩山が点在し、クライマーの聖地としても知られています。宿泊は砂漠の中にオアシスのように位置するグランピング・キャンプサイトです。今回私たちが宿泊したのは新しいキャンプサイトで何と貸切でした。各テントの内部はベッドや暖房、シャワー、トイレまで設置されており、まるでホテルのようです。夕食も豪華でザルブ(チキンやラム、野菜の蒸し焼き)というベドウィンの伝統料理を堪能し、キャンプサイトスタッフと一緒に歌ったり踊ったりと最高の2晩を過ごしました。


写真5_ワディラムにあるグランピングキャンプサイト

ワディラムにあるグランピングキャンプサイト


 最高峰のウンム・アッダーミへはジープでアプローチです。後部はオープンスタイルのシートが縦に2列あり、ワディ・ラムの風を感じながらの移動となりました。私たちのジープ以外は人工物が何もなく、大迫力の岩峰の間を縫うように砂漠を快走しました。ウンム・アッダーミはサウジアラビアとの国境近くに位置しています。ウンム・アッダーミの山容は山というよりは巨大な岩山です。スラブ状の岩場を慎重に登り、山頂を目指しました。


写真6_快晴の中ウンム・アッダーミ山頂を目指す

快晴の中ウンム・アッダーミ山頂を目指す


 天候は快晴で地平線まで茶色の大地が広がっていました。「まるで火星みたい!最高!」とアラブの山登りを楽しんでいらしたのがとても印象的でした。そして全員無事登頂!目線の先にはサウジアラビアの山々も眺めることができました。


写真7_ウンム・アッダーミ山頂より

ウンム・アッダーミ山頂より


 下山後にベドウィンが砂漠で料理してくれたランチはとても美味しく、登頂の喜びも加わり、素敵な時間を過ごすことができました。


写真8_ウンム・アッダーミを後にジープでキャンプへ

ウンム・アッダーミを後にジープでキャンプへ


 旅の締めくくりは死海です。世界最低標高の420mまで標高を下げると気温がぐっと上がり、5ツ星ホテルのケンピンスキーに到着しました。ホテルは豪華絢爛で、ディズニーリゾートと見まがうような内装です。一通り敷地の説明をした後はさっそく死海へ。塩分濃度が濃いため、浮力が強く、仰向けで入水しないとくるくると回ってしまいます。


写真9_死海で泥パック体験

死海で泥パック体験


 その後は泥パック体験も堪能し、豪華なディナーバイキング。海鮮バーベキューに、ラム、デザートも数十種類あり、大満足でした。
 ヨルダンはアラブ諸国の中でも治安が安定しています。日本とはかけ離れた自然景観、文化は私たち日本人にとって新鮮です。旅は日常生活とかけ離れているほど、「旅の実感」は高く、冒険的に感じるように思います。ヨルダンの山旅は来年の春にも実施予定です。このコースは変化に富み、次々と展開する旅のスパイスが特徴的でとてもドラマティックです。アラブに訪れたことがない方はぜひ1度訪れてみてください。おすすめです!


寺井 信之 寺井 信之

東京本社
出身地:東京都