2018.11.16
手付かずの自然が残るカナダ極北ユーコン準州
ユーコン準州の名は先住民の言葉で「偉大なる川」を意味するユーコン川にちなんでつけられました。日本の1、3倍もの面積にカナダ全体の僅か1%での3万6000人(その内州都のホワイトホースに約8割)しか人が住まない、広大な土地なのです。西部には極地以外では最大の氷河地帯である、カナダ最高峰のマウント・ローガン(5,959m)をはじめ、5,000mを超える山々が連なるセント・アライアス山脈(クルアニ国立公園)があり、その他も永久凍土のツンドラ、タイガなどまさに手付かずの大自然が広がります。ユーコンの魅力は極北の特異な環境の中で圧倒的スケールの悠久の大地を体感することにあります。
手付かずの自然が残るカナダ極北ユーコン準州
ゴールドラッシュゆかりのドーソン・シティとホワイトホース
ドーソン・シティは1896年に金が発見されるとアラスカ経由で人々が押し寄せ、北米最大級のゴールドラッシュとなり、当時カナダ西部では最大の町となりました。その経由地でユーコン川下りのキャンプ基地となったのが現在のホワイトホースです。ドーソン・シティはピーク時には4万人が住む州都となりましたが僅か10年ほどで終息し、州都はホワイトホースに移りました。これらの町は今でもその歴史が感じられ、特にドーソン・シティは昔のままの建物が並び、まるで西部劇の世界です。ミュージアムの展示は充実しており、また、当時の雰囲気のカンカン・ショーが楽しめるカジノ・シアターもあり、今でもゴールドラッシュ時代に紛れ込んだような雰囲気が楽しめます。
ゴールドラッシュ時代に紛れ込んだようなドーソンシティ
クルアニ国立公園の冬はオーロラとスノーハイキング
世界遺産クルアニ国立公園に隣接したプライベートロッジは、雪をまとって迫力を増した山々と、氷結したクルアニ湖を目の前にした絶好のロケーションです。ここに連泊し、短い日中にはスノーハイキングを楽しみ。長い夜はロッジで専任シェフが極北の食材を使って腕を振るった料理にワインを楽しみ、オーロラの出現を待つという至福の時を過ごしました。夕暮れの赤く染まった世界、幻想的な夜明けは脳裏にしっかり焼きついています。
冬のクルアニ湖の幻想的な夕暮れ
クルアニでのスノーハイキング
秋のトゥームストーン準州立公園でツンドラの草紅葉ハイキング
北極圏に近づくとそこは広大なツンドラの世界。花崗岩の尖峰が特徴のトゥームストーン準州立公園は極北の手付かずの自然の中でハイキングが楽しめます。低木の黄葉や草紅葉は、高くは昇らない太陽が長い影を映し絶妙なコントラストを演出して、なんとも不思議なパステル色の世界を作り出します。
低い日差しが作るコントラストが美しい
トゥームストーンに向かってハイキング
渡部 秀樹
福岡営業所
出身地:島根県松江市