ドロミテの山容スペイン最高峰テイデ山(カナリア諸島)

2019.04.14

「カナリア諸島の場所をご存知ですか?」。カナリア諸島はモロッコの西約100km、大西洋上に浮かぶ島々で7つの島から成ります。地理的要因から1年中暖かく、常春のリゾート地として欧米の人々に人気のリゾート地ですが、私たち日本人にとっては遠く離れているため、「聞いたことはあるが、場所や国は分からない」という方が多いのが現状です。
 スペイン最高峰のテイデ山は諸島最大のテネリフェ島中心部に位置し、端正な成層火山です。登山は12日の山小屋泊で山頂を目指します。

堂々たる山容のテイデ山


1日目は森林限界を越えた標高2,350mの登山口から約900m登り、アルタビスタ小屋に宿泊です。登山中、現地登山ガイドが「テネリフェ島は貿易風の影響で標高1500m年間340日晴れるんだよ」と話していたのがとても印象的でした。私たちが訪れた際も当然のように快晴で、紺碧の青空の中での山行となりました。後半は傾斜もきつくなり、富士山のような登山道をつづら折りに登ります。山小屋は自炊小屋のため、日本から持ち込んだ簡単な食材で夕食をすませ、未明の出発に備え暖かいベッドに潜り込みました。2日目は標高差約500mを登ります。出発時の外気温は8℃前後で、夏の北アルプス稜線の同時間帯よりも少し暖かい位です。山頂手前でご来光となり、無事全員に登頂しました。島の独立峰ならではの海に囲まれた大展望を堪能し、持参したスペインの国旗が風にたなびく姿が達成感を満たしてくれました。下山は9合目付近からかかるロープウェイで一気に下界へ下ることができます。

快晴率の高いテイデ山


テイデ山頂にて


登山以外のもう一つのメインイベントがエキウム・ウィルドプレッティというムラサキ科の花です。その美しさから「宝石の塔」とも呼ばれており、深紅色で最大3m程度にもなります。シーズンは5月下旬~6月中旬頃で、テイデ山の麓に群生します。ツアーで訪れた際もその姿を見た途端、バス車内で全員が総立ちとなり、その独特な形状に大興奮でした。早速下車して間近から観察しましたが、直径約20㎝、高さ約2mほどの茎に花がとうもろこしのようにびっしり咲いており圧倒的な存在感です。「わたしもうこれで帰国しても満足だわ!」との声があがるほどです。
 ヨーロッパのリゾート、海の幸、花咲く植物、歴史ある町並みと、山以外にも“わくわく”が宝箱のように詰まったエリアです。皆さんもぜひ「カナリア諸島」を訪れてみませんか。


ゴメラ島から眺めるテイデ山


エキウム・ウィルドプレッティ

寺井 信之寺井 信之

東京本社
出身地:東京都