flag 鈴木みきさんと行く“山っていい友!”シリーズ

2019.04.18

 2011年に始まった同行ツアー、早いもので9年目になりました。キッカケは2010年に雑誌の取材でマレーシア・ボルネオ島にあるキナバル山(4095m)を訪れた際の手配とアテンドをアルパインツアーが受け持ってくださったときに遡ります。私にとって初めての4000m峰、山頂からの景色は今まで登ったどこの山とも比べられないものでした。日本とは違う登山スタイルも面白く、日本の登山が逆に特別であることを知りました。一言でいうと、「感激」したんです。こんな山が日本から近く、登頂しても最短で4日間で帰国できるうえに、一年中登ることができるなんて…。私は自分と同世代の登山者にも来てほしいと思いました。

 当時は「山ガールブーム」が始まったか、始まっていたか頃で、若い女性の登山者が増えていました。私の本の読者も30〜40代の登山初心者が多く、これから70〜80代まで長きに渡り山と関わっていく世代です。それまで海外登山は「定年後のご褒美」というイメージがでしたが、私自身が20代で訪れたカナディアンロッキーで人生が変わるほど山を好きになった経歴があるので、あの感動や感激を「定年後」まで待ってほしくないと強く思っていました。

 しかしながらこの世代はまだまだお勤め世代、子育て世代で海外登山に行くような長期休暇がないという現状がありました。そこに「飛んで火にいる夏の虫」ならぬ、「飛んで行ったらすぐキナバル山」です。この山なら大型連休や有給休暇を利用すれば行けるじゃないか!さっそく私は下山した夜に、同行ツアーができないかと相談を持ちかけたのです。

写真1 キナバル

キナバル



 それからこれまで年間4〜6本の国内外の山をたくさんの皆さんと一緒に歩くことができました。私はツアーリーダーとして先頭に立つこともありますが、個人的な感覚では仲間のなかの幹事役をしていると思っています。参加者が同世代ということもあるかもしれませんし、私が頼りないからかもしれませんが、みなさんが本当に協力的で自立心もあり、すぐにお互いに助け合う関係が生まれるんです。これって登山パーティの基本ですよね。

 「山っていい友!」というタイトル通りに、参加者が山を友とし、リスペクトし大事にしている様子をよく見かけます。そして他の参加者に対しても同じように接している姿もよく目にします。「山が好き」という共通点さえあれば、友になれるのだと確信させてくれたのは参加者のみなさんです。こうして「山っていい友!」は「登山」という行為だけではない、山の愉しさや人との繋がりを大切にするツアーに育ちました。それを私は誇らしく、またとても嬉しく思っています。

写真2 山っていい友!2019

山っていい友!2019



 今後もアルパインツアーの信頼のおける胸をお借りして、みなさんのいつもの個人登山とは違う「ツアー登山」の魅力と利点、そしてカレンダーの休日を生かした企画でアッと驚かせて喜ばせたいです。あとはしつこく海外登山にお誘いしていきたいですね。世界は広く、山は世界中にあります。せっかく山を好きになった人生なのだから、たくさんの山を自分の目で見て足で歩いていただきたい。「山は逃げない」と言いますが、山に使える時間は有限です。登山ツアーに参加できるチャンスがあったら逃さず、「山っていい友!」、アルパインツアーにお任せください!一期一会の山の景色を一緒に歩き、一緒に楽しみましょう。



写真3 エベレスト街道

エベレスト街道

写真4 スイス・アルプス

スイス・アルプス

写真5 裏磐梯・雄国沼

裏磐梯・雄国沼

鈴木 みきさん