2019.08.28
カラコルム山脈の山麓地域の中で、もっとも名の知られた場所‘’桃源郷フンザ‘’。
世界三大長寿地域の一つと言われたことがあり、小麦やリンゴ、アンズ、クルミ、桃、チェリー、ブルーベリーなど多くの果物が実る、豊かな地域です。フンザは、何度も訪れていますが、季節ごとにまったく違った風景をみることができ、その都度、違った感動を発見することができます。春はアンズや桃の花咲く、ピンクの季節、夏は、緑広がり、氷河からの水路に豊富な水が流れる季節。そして、秋は、晴天率が高く、黄葉で染まる、黄金の季節です。秋の澄んだ空気の中のトレッキングは、とても気持ち良いです。
グルキンからのトレッキングは、歩き始めからカラコルムの名峰、シスパーレ(7,611m)、ウルタルⅡ峰(7,388m)などを望みながらの大展望を満喫でき、さらに、パスー氷河展望コースも、登山口からわずか5分ほど歩くと、パスー氷河が姿を現します。このように、カラコルムのトレッキングは、車道が山懐に発達しているため、登山口がすでに、ほぼベースキャンプ並みに近い場所にあるため、短いハイキング時間で、非常に迫力ある風景の場所までたどり着くことができます。
カラコルムハイウェーの移動時間は、長いこともありますが、その分、通常では考えられないほどの迫力で雪山を望むことができます。まだカラコルムを訪れていない方は、ぜひ、カラコルムの豪快な雪山を堪能してみませんか。
世界の山岳地帯の中で、もっとも高峰が多く存在するヒマラヤ山脈。そのヒマラヤ山脈の最西端に君臨する巨峰がナンガパルバット(8,126m)。ナンガパルバットの周囲には、高峰はほとんどなく、インダス大峡谷をはさんでカラコルム山脈と向き合う巨大な独立峰で、3本の長大な頂稜と3つの巨大な氷壁と氷河で構成されています。
そのナンガパルバットを望む北面のラキオット谷に、美しい緑あふれる別天地‘’メルヘンの草原‘’が広がります。パキスタンの北部地域は、年間を通じて降水量が少なく、砂漠の国といっても過言ではありません。そのため、パキスタンのトレッキングでは、シャクナゲ咲き誇るネパールやブルーポピーがみられるブータンなどと違い、草原地帯が圧倒的に少ないのです。その中でもメルヘンの草原は、緑が広がる貴重な場所のひとつです。ナンガパルバットは、カラコルムハイウェイと言われる、山岳道路からも展望できる高峰で、道路からも展望を楽しむことができますが、それは遠望であり山は大きくは見えません。さらに、山腹の悪路をジープで進み、登山口から徒歩約3時間ほど歩いたメルヘンの草原まで流れて、堂々たる山容のナンガパルバットを望むことができます。
ツアーでは、さらに奥のバヤルキャンプ周辺まで進みます。バヤルキャンプ周辺からのナンガパルバットは、まさに仰ぎ見るという言葉通りの風景が広がります。
メルヘンの草原には2連泊しますので、写真撮影やスケッチなどがお好きな方にもおすすめです。
久保 典彦
東京本社
出身地:三重県