ドロミテの山容南仏プロヴァンスとコートダジュール・ハイキングの魅力

2019.08.28

南フランスの地中海に面したエリアは、ヨーロッパの伝統的なリゾート地の一つとして今でも世界中の旅行者を魅了しています。港町のエレガントな佇まい、穏やかな気候、素朴な郷土料理などなど、その魅力を挙げればきりがありませんが、ここでは「南仏の自然」をテーマにその魅力に迫りたいと思います。

花あふれる春の南仏


地中海性気候に覆われた南仏エリアは、春から秋にかけて特に晴天率が高い日が続きます。4月、冬の間の降雪や降雨によって潤った大地が、春の陽光に温められると、色鮮やかな花々が次々に現れ、野山を彩ります。ラベンダー、ローズマリー、スイセン、アイリス、チューリップ、ポピーなど日本では園芸植物として人気の高い花々を、この時期はありふれた自然の一部として楽しむことができます。

サント・ヴィクトワール山に咲くスイセン


フレンチラベンダーがトレイル沿いに咲き誇る

印象派の巨匠が生涯をかけて描き続けた山、サント・ヴィクトワール


マルセイユの北には、プロファンスを代表する町、エクサン・プロヴァンス(エスク)があります。プラタナス並木が美しいミラボー通りや、古い建物や噴水が点在する旧市街など沢山の見どころがありますが、エクスが印象派を代表する画家、セザンヌの生まれ故郷であることも忘れてはなりません。セザンヌは南仏の自然を題材に、多くの作品を残しましたが、彼が生涯に渡り描き続けた山がエクスの郊外に聳えています。石灰岩の白亜の山、サント・ヴィクトワール山です。セザンヌがサント・ヴィクトワール山を描くためにイーゼルを置いたレローヴの丘からは、南仏の穏やかな田園風景と、その奥にピラミダルな形で屹立と佇むサント・ヴィクトワール山を望むことができます。サント・ヴィクトワール山は美しいだけでなく、エスクの人々の人気のハイキングスポットにもなっています。ローズマリーの灌木が生い茂る稜線を登ると、頂上からはエクスや麓の田園風景を一望することができます。山頂に立てば、セザンヌがキャンバスに表現しようとした、プロヴァンスの魅力をより深く感じることができるでしょう。

レローヴの丘から望むサント・ヴィクトワール山


サント・ヴィクトワール山の山頂を目指す

南仏の古き良き佇まいが残る鷲の巣村へ


コートダジュールを代表するリゾー地、ニースから車で1時間ほどの走った山間に、ゴルビオとサンタニュスという村があります。フランス各地には小高い丘や山の上に、要塞状に築かれた中世から続く村々が点在し、鷲ノ巣村と総称されています。いくつかの鷲ノ巣村は、南仏の人気旅行先として、観光地化されている場所もありますが、中にはほとんど観光地化されず、時が止まったかのような美しい佇まいを残す村もあります。ゴルビオとサンタニュスは、古き良き佇まいを最も残す鷲ノ巣村のひとつかもしれません。山間に位置する2つの村は、徒歩2時間程度で行き来することができ、鷲ノ巣村巡りのハイキングを楽しむことができます。静謐な空気に包まれた美しい村の中では、人々の普段の生活の営みがあり、ただ目的もなく歩いているだけでも、言葉には表し難い充実感を得ることができます。そして、この2つの村にはぜひ春の時期に訪問してみたいものです。新緑や草木の花々が、まるで輝く宝石のように石づくりの村々を彩ります。

鷲ノ巣村ゴルビオ


新緑が美しいサンタニュス

南仏プロヴァンスとコートダジュール・ハイキングのコースでは、歩かなければ感じることができない南仏の魅力をたっぷりと、体感することができます。ぜひ皆様もお越しください。

北島 聡之北島 聡之

東京本社
出身地:東京都