ドロミテの山容ロスト・ワールド “ギアナ高地”

2019.08.22

メインタイトル「ロスト・ワールド “ギアナ高地”」


シャーロックホームズを生んだコナン・ドイルが描く空想冒険小説「ロスト・ワールド」やディズニー映画「カールじいさんの空飛ぶ家」などのモデルになったギアナ高地。そこには、地球の億年という途方もない歳月が生んだ奇跡の世界が広がっています。地上から絶壁でせり上がったテーブル状の大地はテプイと呼ばれ、それぞれの幅が数km~数百kmと、日本の市町村並の面積があります。その数は100を越えるとされ、それぞれの生態系が独自の進化を遂げており、植物の75%が固有種という記録があるほどです。隔絶された世界はまさに秘境そのものです。


絶壁を望むトレッキングにもご案内します


4泊5日のロライマトレッキング!


 弊社の旅行では、ヘリコプターで入山して頂上テントで2泊、下山途中の2カ所で1泊ずつの4泊5日のトレッキングをします。私が同行した際は、ごつごつした太古の頂上台地を歩く喜びを感じながら、目に入る植物ひとつひとつが珍しく、ゾウムシやカエルでも大盛り上がりでした。「世界にここだけ」という固有種が持つ価値は大いなる好奇心を抱きます。訪れた場所のハイライトは最高地点のマーベリック・ポイントは、かつて海の底であったことを証明する化石を横目に、手を使いながらよじ登る場所もあり、てっぺんに立つとより一層、はるばる来たのだなぁと感じることができるでしょう。そのほか、水晶が一面に広がる谷(夢のようですが持って帰ってはダメです)、天の川が見られる神秘の洞窟、ロライマの絶壁の端っこハイキングなど興味が尽きることがありません。


水晶の谷


世界最大落差の滝エンゼルフォール


 移動を兼ねたエンゼルフォールの遊覧フライトが絶景ポイントです。雲の切れ目から覗くテプイたちはまるでラピュタです。エンゼルフォールを有するアウヤンテプイは、なんと東京23区よりも大きい大地です。1955年には恐竜の目撃情報もありロマンそのものですね。
 この滝を世に広めた発見者であるアメリカ人のパイロット、ジミー・エンゼルさんにちなんで名付けられたのが一般的ですが、現地の呼び名はパラカウパ・ヴェナと呼ばれています。現地の民族ペモン族の言葉で最も高くから落ちる滝の意味が込められています。979mの落差は文句なしの世界一です。滝も楽しむのであれば、11月が雨季明けで水量も多いためおすすめです。


雲の中から大地アウヤンテプイ


毎日がアドベンチャー


 何もない草原に着陸する国内線、多量の雨で屋内に水が来ないようホウキで水の侵入を防ぐレストランスタッフ、雨でぬかるんだ悪路を越えるための作戦会議、雲の中から覗く巨大大地、膝上まである沢を渡る渡渉、小型ボートでの急流のぼり、ハンモックに揺られて眠る夜、全身ずぶ濡れの滝散策。長く人生を歩まれた方でもどれだけ初体験があったことでしょうか。子供に還るというのか、忘れていた冒険心を思い出すというのでしょうか。ドキドキとワクワクと、少しのハラハラも(笑)、たくさん笑い、たくさん心を動かされる旅行となるでしょう。
 激動のベネズエラ、電気や水道も毎日どこかの部屋で消えたり止まったり、この国は物資も不足して困窮している地元住民の現実もありますが、生きる人々の力強さと温かさもまた強く印象に残りました。ぜひ訪れてみてください!


エンゼルフォールに向かうボートからテプイを望む

宇津木 健宇津木 健

名古屋営業所
出身地:岡山県岡山市