flag 北米大陸の北の果て、イヌビックへ
オーロラメッセンジャー中垣哲也と行く
「太陽極小期ならではのオーロラ鑑賞ツアー」

2019.09.05

中垣哲也さんと行く極北のカナダ 北極圏イヌビック滞在とオーロラの旅 8日間


中垣哲也さんと行く極北のカナダ 北極圏イヌビック滞在とオーロラの旅(2019年)





写真1_オーロラが暴れ出した。ショータイムの始まりはピンク色。

オーロラが暴れ出した。ショータイムの始まりはピンク色。


 私は長年の間で、数々の旅行会社企画のオーロラツアーに関わってきました。経験を積むと、その善し悪しはどうしても値段相応だと感じてきました。私自身は今後「安かろう、がっかりするだろう」的なツアーに関わることはありません。夢を求める高額商品なら、心に残る、いや死ぬまで忘れない光景を全身全霊で感じて欲しいというのが、今の私の願いです。そんなこだわりの私でも「そこまでやるか!」と感激の旅をアルパインツアーは実現してくれています。


写真2_日が暮れてまもなく天頂に怪しい光が揺れている!

日が暮れてまもなく天頂に怪しい光が揺れている!


 イヌビックへのツアーは、とにかくオーロラに近づくために、何度も飛行機を乗り継いで、「ここまで行くか!」そんな北米大陸の果てへ向かいます。地球のてっぺんでは、独特な太陽の軌道が見られ、地球の自転すら実感出来るのです。


写真3_北米大陸の果て。この過酷な世界に人が住んでいるのだろうか?

北米大陸の果て。この過酷な世界に人が住んでいるのだろうか?


写真4_極夜が終わって太陽が帰ってきた!2月初旬なら、これでもお昼時の太陽。

極夜が終わって太陽が帰ってきた!2月初旬なら、これでもお昼時の太陽。


写真5_北米最北のハイウェイで道草を食う?

北米最北のハイウェイで道草を食う?


写真6_すべてが冷凍保存中。すべてが自然のアート。

すべてが冷凍保存中。すべてが自然のアート。


写真7_北極海までたどり着いたが、どこからが海?3月初旬。

北極海までたどり着いたが、どこからが海?3月初旬。



 そんな北極海にほぼ近いイヌイットの村で、オーロラをキャッチするこだわりのツアーです。なぜ飛行機を乗り継いで、金と時間を余計にかけながらも北極圏まで向かうのでしょうか?理由は・・・たとえば遠くの空にぼんやり光る、雲と区別がつかないようなオーロラを見て感動する人は皆無でしょう。遠くから眺めてもがっかりするだけです。オーロラを、その真下で、宙いっぱいのスケールで感じてもらうため、ならば、普段オーロラが舞う場所まで行ってしまおうというこだわりなのです。


写真8_魚眼レンズによる全天のようす。頭の上にオーロラが咲いてきた!

魚眼レンズによる全天のようす。頭の上にオーロラが咲いてきた!



 オーロラとは、太陽活動を可視化したものと言えます。わかりやすく言えば、太陽の表面で起きる出来事(爆発など)が、地球の北極と南極側の空がスクリーンになって映って見えているようなもの。そして太陽活動というのは、その活動度に周期的な波があり、オーロラ活動にもその波が反映されてきます。太陽表面に存在する黒点数が増えたり減ったり周期的に繰り返しているのですが、黒点が多い時は、オーロラの活動自体も活発になりやすいのです。オーロラの活動を長年現場で感じていると、この太陽活動の波は案外大きな振幅があるように思えます。太陽活動度が高いタイミング(極大期と言って、大雑把に5年間くらいの間)ではオーロラも活発になりやすく、また、オーロラが見られる地帯も、北極側では南側に膨らんでくることが多いのです。活動が穏やかな時は、けっしてオーロラが発生していないわけではないのですが、より高緯度の方に登場するので、一般的なオーロラ鑑賞地から見ると、北の空に弱々しく見えることが多くなります。白っぽくしか見えず、感動の光景とはほど遠いのです。


写真9_晴れれば毎晩のように、こんな感じです。首に注意。

晴れれば毎晩のように、こんな感じです。首に注意。



 では昨今の太陽の元気度はどうか?といいますと、実は今、太陽活動がどん底なのです。残念ながらオーロラ鑑賞を目的にした旅には少し頼りない「太陽極小期」です。ですので、オーロラが見られる場所が「北寄り」になる機会が多いのです。私がずっとオーロラを見ていて、だいたい2016年ころから物足りなさを感じる機会が多いように感じていました。おそらくここ数年(2019-20年頃)が波のどん底になるでしょう。いま一般に知られるオーロラ鑑賞地では、オーロラが遠くに見えることが多い(=つまらない)辛い時代と言えます。ただし、地球のまわりの宇宙空間では常に変化し、いろんな事が起きています。不意打ちのようにオーロラ感謝祭になることも少なくなく、そのようなときには北でも南でも、どこにいてもお祭りに参加することができます。「大当たり!」もあるが、その確率は少なくなっているわけです。自然に絶対ということはなく、また今の科学でも、地球のまわりで起きる事がまだまだ解明されていない「神秘」が潜んでいることを実感できます。


写真10_お月様とランデブー。月明かりは写真好きには見方なんです。

お月様とランデブー。月明かりは写真好きには見方なんです。



 オーロラ体験の醍醐味とは、オーロラを間近に感じること。要するに自分の頭の上にいるオーロラを、真下から見上げる!いま太陽極小期に現れやすい場所=北の方へ行ってしまおう!と言うのが、カナダの北緯68度イヌビックへのオーロラを求めるこだわりツアーなのです。ここまで北へ行ってしまえば、たとえオーロラの活動が弱くても、普通に、そして長時間にわたって頭の真上に流れる様子を楽しむことが期待できます。


写真11_スノーシューをはいてお散歩、きもちいい。

スノーシューをはいてお散歩、きもちいい。

 このイヌビックでオーロラを体験するツアーは、太陽活動がすっかり落ち着いて必要性が高まった2017年からスタートしました。2019年までに合計6回も催行になり、すべての参加者が天頂で揺れるオーロラをたっぷりと体験されています。


写真12_オーロラ撮り放題。ダイナミック過ぎて追いつけない!

オーロラ撮り放題。ダイナミック過ぎて追いつけない!


写真13_数百年もオーロラを見上げてきたトウヒの森。

数百年もオーロラを見上げてきたトウヒの森。



 オーロラチャンスは4夜あるのですが、初陣2017年の時は、4夜とも「大感謝祭」となりました。私の80回にも及ぶ遠征でも経験のない「出来過ぎ」イベント。オーロラの業界用語で言うと「磁気嵐」。わかりやすく言うと、オーロラ活動のメーターが振り切れ、現地ガイドから「おめでとうございます。今期最高のオーロラダンスに逢えましたね!」と、有頂天な会話が弾みます♪ そんなときは、渡り鳥やイルカや鯨など回遊魚たちの方向感覚が狂い、迷子になるような地磁気の嵐の注意報が発せられています。人間は地磁気を感じられるのはスーパーマンしかいませんが、人類の叡智は、尋常ではないオーロラの様子から、地球のまわりの宇宙空間の嵐を想像させてくれます。


 なぜオーロラを体験するのでしょうか?・・・絶景に胸を躍らせるワクワク体験。それだけではあまりにもったいないと感じています。オーロラを体験するということは、日常のすべてから解き放たれて、自然の中に、宇宙の下に身を置く。その人の感性次第で、いろんなすてきな気づきを得られるでしょう。私たちはいかにちっぽけな世界で、狭い視野しか持っていないのか思い知らされます。宙いっぱいのオーロラに包まれ、宇宙の中で丸裸になった自身を客観視できれば、自分を変えるチャンスもあるでしょう。我らが地球に思いを巡らせたならば、死の世界と言われる宇宙の中で、この惑星が持つ強力な磁場とみかんの皮のように薄っぺらい大気といういのちのバリア機能が、私たち生命を守ってくれているという奇跡を、オーロラを通して実感出来るのです!


 極北の大地に大の字になって、五感を研ぎ澄まして宇宙を仰ぐ。それが理想的なオーロラの体験方法です。深い話になりますが、実は五感よりもっと大事な感覚があります。”こころのセンサー”にスイッチが入ることが肝心。オーロラが爆発した瞬間にわっと泣き出す人を見かけます。辛い想い出、後悔、直面している困難や幸福、天国に逝ってしまった大事な人のこと・・走馬灯のように人生をフラッシュバックし泣き笑い。目の前の光景が想像を絶したとき、”感性の感受性”も振り切れるのです。人の感性とは、なんて深くて美しいのでしょうか。しかし涙を流している場合ではない。死ぬまで忘れないシーンを脳裏に焼き付けなくては!


 写真を楽しむ方、くれぐれも安易にオーロラの世界に踏み込んではいけません。幸か不幸か、一度でも夢のような光景を撮影してしまったならば、間違いなく極北の女神の虜になり、ストーカーのように執念深く追いかけるでしょう。財産の多くをカメラ・レンズ機材や旅行費に投じることになるに違いありません。家庭不和など、何があっても自己責任でお願いします。正直なところ、私はやっかいな病原体であり、すでに多くをオーロラ病に感染させています。治療方法はまだ見つかっていません。また今は、カメラ機材はオーロラ用になりました。昨今のデジタルカメラのセンサーは超高感度化、光学も明るく高画質化され、まるで暗闇で繊細な光を放って踊るオーロラを撮影するために開発されたと思うほどです。試してみますか?


写真14_おめでとう!ここまで来て良かったね!

おめでとう!ここまで来て良かったね!


写真15_一晩中、お祭りでした。バンザーイ!

一晩中、お祭りでした。バンザーイ!



中垣 哲也

オーロラメッセンジャー中垣哲也
プロフィール

http://www.aurora-dance.com/nakagaki-tetsuya.html