flag ツアーリーダー研修会

2019.01.17

「ツアーリーダー」とは?


当社では登山・トレッキングのグループ・リーダーとしての役割と旅程管理能力を併せ持つ者をツアーリーダーと呼んでおります。山旅中は、現地スタッフたちのボスでもあり、ツアーメンバーのリーダーであり、ときにはエンターテイナーでもあります。決して添え乗り(添乗員)ではなく、ホスピタリティーあふれるものでなければなりません。
また、旅行業者には、旅行日程を管理する主任の者は、「旅程管理主任者」の有資格者でなければならないことが定められておりますが、当社では旅の内容が山旅主体であるため、それだけの知識では十分でないと考え、定期的なツアーリーダー研修会を開催しております。
ツアーリーダー研修会では、お客様からのアンケートをもとにしたツアーリーダー業務中に発生した事例検証やツアーリーダー同士の情報交換、他にも専門的な知識の学習など様々なテーマで研修会がおこなわれております。



「ツアー登山運行ガイドライン」の存在


一般社団法人・日本旅行業協会は、平成16年に旅行業ツアー登山協議会が発表したガイドラインを受け継ぎました。過去に北海道トムラウシでのツアー登山における大量遭難を端に平成21年にツアー登山運行ガイドラインを会員会社へ周知徹底し、その4年後には、中国・万里の長城での海外ツアー遭難事故があり、海外関連についても増補されました。
当社は、このガイドライン策定にあたっては、ツアー登山のパイオニアでもあり、経験則や山岳体験も豊富であることから策定段階から執筆に協力してまいりました。
当社では、このガイドラインが定められる以前からツアーリーダー研修会の中では、当然のこととしておこなってきたことばかりです。従いまして当時は、「何を今更、当たり前のことを言っているのだろう」とツアーリーダー達が呟いていたことを思い出します。
当社は、日頃から「ツアー中の安全配慮は旅程保証に優先することを忘れてはならない」といっております。これは、旅行を予定通りに運行することはもちろん大切ですが、山では予期せぬ悪天候やトラブルに見舞われることもあるからその時は、「予定通り旅程を進めることよりも安全確保の方が大事だぞ」ということです。このことは、ずっとツアーリーダー達に今日まで受け継がれてきたことであり、お客様から「アルパインだから安心できる」と言っていただける根幹になっていると考えております。



「ツアーリーダー業務の手引き」


当社では、ツアーリーダーとしての心得や基本的なお客様への接客マナー、旅程管理業務中の諸注意などをまとめた手引書があります。この手引書は、これまでに何度も改訂されてきました。
それは、ツアーリーダー研修会を通じて、ツアーリーダー同士の情報交換や専門家の方々などのご意見などを取り入れていく結果であり、絶えず、新しい情報を取り入れて進化しています。
このように「ツアーリーダー業務の手引き」が進化できるのもツアーリーダー研修会の成果だと考えています。
当社のツアーリーダー研修会は、講義を聴くだけの一方通行な研修会ではなく、自由闊達にツアーリーダー同士が意見交換もできる場であります。皆さまにもこの研修会の様子をどうかご想像いただきたいとおもいます。



「登山者検診ネットワーク」の存在


ツアーリーダー研修会では、毎回、登山医学専門の先生をお招きして、様々なテーマで講義をいただいております。これまでの講義内容を下記に列記いたしますが、いずれのテーマも実際のツアーリーダー業務において役に立つことばかりで専門的な知識を持っていたお陰で大事に至らなくて済んだ、という場面もこれまで多くのツアーリーダーが経験してきました。
ツアーリーダーがこのような知識を持つことは、お客様が一層、安心して山旅ができることにつながり、安全管理でも重要と考えております。これからもより一層、皆さまが安心して当社のツアーにご参加いただくためにもツアーリーダー研修会を続けてまいります。

◎最近5年間におこなわれた登山医学講義

  • 「旅行者下痢について」(海外事情、原因、予防、治療法について)
  • 「山に持っていくと役立つ薬」(市販薬)
  • 「高所ツアー参加前検診の役割」
  • 「犬咬傷の対応策」*世界の狂犬病分布、対処法
  • 「高山病の基礎知識」
  • 「山で発症する心臓疾患のリスク」
  • 「高山病症状チェックポイント」
  • 「ガモフバック使用法および高山病対策装備について」
  • 「高齢者の登山」(登山のリスクマネージメント、山岳遭難現状とリスクマップ、低酸素症)
  • 「糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸症候群を治療中の登山について」
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亀田広明 亀田広明

東京本社
出身地:神奈川県