2018.07.10
登りごたえ十分!ウィルヘルム山(4,508m)
ウィルヘルム山は、南太平洋に浮かぶパプアニューギニアの最高峰で、2泊3日の山小屋泊で山頂を目指します。登頂日となる2日目は、行動時間12時間以上、標高差約1,000mを登降するたいへんハードな行程となります。これまで、キリマンジャロやモンブランなど、世界の名だたる名峰に登頂されたお客様からも、「こんなに登り応えのある山は、今まで経験したことがない!」との言葉が飛び交うほど、私にとってもとても印象的な登山のひとつです。
スタッフと一緒に小屋の前でハイ・チーズ!
何度も現れる偽ピークに一喜一憂しながら前進!
登頂日は、深夜2時には山小屋を出発します。ヘッドランプの光を頼りに暗闇の中を歩くことは相当な集中力が必要で、日の出の時刻を待ちわびながら慎重に歩を進めました。
ウィルヘルム山の山頂は、直前まで姿を現しません。山頂に辿りつくまでに、幾度となく出てくる偽ピークに、一喜一憂しながら前進します。「あれが山頂?」「まだまだ!」こんなやりとりを、一体何度繰り返したことでしょう。振り返れば、これまで越えてきたいくつもの峰々が見降ろせ、見上げれば、これから越えなければならない峰々が立ちはだかっていて驚愕したものです。いくつもの峠を越えて、ようやく山頂が見えた時には、これまでの疲れもすっかり忘れて山頂を目指しました。
目指す山頂はまだまだ向こう
頼もしいマンツーマンガイドとの絆
ウィルヘルム山は、部分的に岩場やぬかるみの登降があるため、ご参加者1名様に対して1名の現地ガイドが同行します。登山初日の朝、一人ひとり名前を呼びながらペアを組んだのち、いざ出発!はじめはお互いに緊張の面持ちでしたが、足場が悪い岩場で手を差し伸べてくれたり、誘導してくれたりしているうちに、あっという間に打ち解けた様子でした。登頂日は、標高約4,000m付近の岩稜帯を何度も登降する厳しいルートです。心がくじけそうな時でも、明るく、優しくサポートしてくれるガイドたちに、私たちは幾度となく励まされました。長い道のりを経て山頂に着いた瞬間、互いに手を取り、肩を抱き合って喜ぶお客様の姿は非常に印象的でした。いくつもの峠を越えて山頂を目指す
振り返れば絶景が広がっていた
伝統文化に触れる
登山後は、高地民族が暮らすアサロ渓谷でパプアニューギニアの文化に触れるひとときを過ごしました。アサロ渓谷にはアサロ族が住んでおり、全身を泥で塗り独特の泥の仮面をかぶるマッドマン・ダンスという儀式があることで知られています。パプアニューギニアは約800の言語があるとされる部族社会で、かつては部族間の争いが絶えませんでした。儀式の由来は、争いに敗北したアサロ族が川に潜んでいたときに泥だらけになり、それを見た敵部族が死者の霊と勘違いして逃げて行ったという伝説によるものだそうです。
迫力あるマッドマン・ダンス
小さな子供もダンスに参加
兼井 友理
東京本社
出身地:愛媛県