ドロミテの山容中国横断山脈・梅里雪山

2019.08.08

梅里雪山(メイリーシェシャン)は、中国南西部の雲南省とチベット自治区の境にそびえる長さ30kmの山群の総称で、6,000メートル以上の頂が6座、1年中雪におおわれる頂が20座以上もそびえています。チベット自治区・四川省・雲南省にまたがる「横断山脈」に属していて、梅里雪山の周辺では、金沙江(長江の上流)・瀾滄江(メコン川の上流)・怒江(サルウィン川の上流)の3つの大河が、わずか70kmから100kmの幅で並行して流れ、「三江併流」とよばれる大峡谷地帯を形成しています。


未踏の尖峰メツモ(6,054m)

歩かずして美しい山々を展望


梅里雪山はインド洋から吹くモンスーンの影響を受けるため、一年中多量の雪が降り積もり、稜線は美しい氷河に覆われています。山麓に切り拓かれたチベット族の山村は開発が進み、現在はたくさんの宿泊施設があるため、ホテルに滞在しながら、美しい山容の山々を展望することができます。


未踏の怪峰ジャワリンガ(5,470m)

聖なる山・主峰カワカブ(
6,740m


カワカブは梅里雪山山群の最高峰で、チベット語で白い雪を意味します。神が宿る聖なる山として、今なお人類がその頂に立ったことは無なく、山麓からは美しい山容を望むことができます。かつて登山隊が登頂を目指し挑戦した時期がありましたが、1991年には日本の海外登山史上最悪の遭難といわれた17人の雪崩事故が起きました。氷河の中で長きにわたる遺体捜索活動が行われ、その間に山麓に生きるチベット族との間で生まれた交流などを執筆した「梅里雪山 十七人の友を探して」(小林尚礼・著/山と溪谷社)は今も多くの方に読まれています。


幻想的な光輪に包まれた梅里雪山の主峰カワカブ(6,740m)


美しいチベット族の女性

横断山脈の美しい山々


日本人には名前も聞いたことが無い山ばかりかもしれませんが、横断山脈には美しい山々が数多く存在します。春の頃山麓にはシャクナゲの花が多く咲き、秋には森が一面に黄金色に輝きますが、どちらの季節もおすすめです。簡単なハイキングでも美しい山々の展望を堪能することが出来ますが、ツアーではさらに山麓を分け入りトレッキングでめぐるコースもご案内しています。雲南省は中国の中でも少数民族が多く暮らし、それぞれ独特の文化が形成された土地が今も多く残ります。急速に進む開発が山奥までおよぶ前にぜひ梅里雪山の山麓へお出かけください。

峠越えの車道から望む白茫雪山


黄葉に色づく美しい谷

 

 

鈴木 謙介鈴木 謙介

東京本社
出身地:栃木県