ドロミテの山容さまざまな魅了を持つ大地、ユーコン

2019.10.17

世界自然遺産の“山岳国立公園“クルアニ


カナダの最高峰は?との質問に、マウント・ロブソン(カナディアン・ロッキーの最高峰)ではなく、マウント・ローガン(5,959m)と答えられる方はどれぐらいいるでしょうか。正答率は低いと思いますが、答えがわかっている方は、この山がどこにあるのかほとんどの方が正解できる場所、それがユーコン(準州)になります。

ご紹介すると、この山の展望を気軽に楽しめるのかな?と思われるかもしれませんが、この山は広大なクルアニ国立公園の奥深く、アラスカに位置するランゲル・セントイエイアス国立公園に近接しています。ということで簡単に見られない山、マウント・ローガンですが、クルアニ国立公園に隣接するロッジに滞在し、黄葉や冬景色をハイキングやスノーシューとオーロラ鑑賞を楽しむツアーでは、オプショナルの遊覧フライトでご覧いただける“チャンス“があります。広大な氷原の風景は、さすがに極地を除く世界最大の氷原地帯だけあって、さまざまな遊覧フライトや氷河展望を経験した私にとっても新鮮でした。


黄葉や紅葉の美しい時期に世界遺産クルアニ国立公園を訪れる


ロッジ正面に広がる山岳風景とクルアニ湖がこの旅の舞台です

ゴ-ルド・ラッシュに栄えたドーソン・シティ


上記のような山岳国立公園は当然魅力的ですが、日本の1.2倍以上の面積を有するユーコン準州には他にも魅力的な場所があります。1952年までは準州の州都だったドーソン・シティは、ゴールド・ラッシュ時代に栄えた地で、今なおその雰囲気は当時の佇まいを残しており、国定史跡に指定されています。またホワイトホースから続くクロンダイク・ハイウェイ沿いには、冬季の一大イベント、ユーコンクエスト(アラスカ・フェアバンクス⇔ホワイトホース間の1000マイルを走り抜ける犬ぞりレース)のチェックポイントとなる村々のカフェをはじめ、小さな愛らしいロッジなどもあり、そこに住み続けている人々との再会も楽しみです。またアラカスへと続く街道と言えばアラスカ・ハイウェイが有名ですが、丘の上を縫うように付けられた夏期限定で通行可能なトップ・オブ・ザ・ワールド・ハイウェイからの展望も広大なユーコンを楽しめるすばらしい景観です。

そして何よりほとんどの場所で人が住んでいない広大な大自然が最大の魅力です。ムースやエルク、カリブー、ビッグホーンシープの他、グリズリーベアなど、動物の方が圧倒的に数も多いのですから。


ゴールドラッシュの面影を残すドーソンの街並み

トゥームストーン準州立公園から北極圏、ノースウエスト準州イヌビック、タクトヤクタックヘ


大きな道(というより手が加えられている道路)が数えるほどしかないユーコンの中で、北極圏へと続くデムスター・ハイウェイほど冒険心に満ち溢れた道はないでしょう。
途中、“極北のパタゴニア”と言われるトゥームストーン準州立公園を抜け、いくつもの川や湖、丘の起伏を越えて北進し北極圏へ。いつまでも日が沈まない夏の終わりでも深夜12時を過ぎるとオーロラが舞い降りることも。この道はやがてノースウエスト準州に入りイヌビック、そして道路でアプローチできる北極海に面する最北の町、タクトヤクタックへは、2017年に開通した道路により繋がりました。デムスター・ハイウェイには川の横断箇所があるため、春と秋には陸路での訪問ができなくなる地域です。そんな厳しい自然とともに生きる先住民族の人々の暮らしぶりを垣間見ることができます。


イヌビックに3連泊します


タクトヤクタックまで続くデンプスターハイウェイを走りぬける

川下りやハイキング、そして冬場のオーロラやスノーシューまで


1800年代の後半、ゴールド・ラッシュ時代にアラスカ南西部から峠を越え、川を下りドーソンを目指した人達と目的こそ違いますが、“未開の地を訪れる“そんなワクワクドキドキの気持ちにさせてくれる地ユーコン。ユーコン川の川下りや遊覧フライト、オーロラ鑑賞など楽しみ方は様々ですが、お勧めはオフトレイル(道のないところを歩く)でのハイキング(歩くこと!)と真っ先にお答えします。そして冬場は、どこを歩いても自分がはじめて歩く人なのでは?と感じるほど未開の地が広がっています。冒険心のある方もない方も、のんびり過ごしたい方もそうでない方も、全員が心の充電をできる地、ユーコンにぜひお出掛けください。

イーグルプレインズで見たオーロラ

中川 元宏中川 元宏

名古屋営業所
出身地:愛知県名古屋市